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曲げわっぱの弁当箱の種類と特長について。日常使いにおすすめなのは?

      2018/05/12

最近、SNSなどでよく見かける曲げわっぱのお弁当箱。
使ってみたくても扱いが難しそうで、なかなか手を出せない...という人も多いはず。

かくいう私もおしゃれなお弁当ライフに憧れつつも「ずぼらな私が本当に使いこなせるのか?」と心配でなかなか手が出ませんでした。
でも、いろいろ調べてみたら、とても扱いやすいタイプのものもあるとわかり、いまでは毎日のように愛用してます。

この記事では曲げわっぱのお弁当箱を実際に使ってみた私が、使ってみて良かったところや種類、選び方のコツをお教えします!

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日本の伝統工芸「曲げわっぱ」とは?

「曲げわっぱ」とは、スギやヒノキなどの薄板を曲げて作られる円筒形の木製の箱のことです。
発祥は1000年以上前まで遡り、木こりが杉の生木を曲げ、桜皮で縫い止めてお弁当箱を作ったのが始まりだといわれています。

杉の木で作られた箱は殺菌力に優れるうえ通気性もよく、食物を保存するのに適しており、平安京の遺構からも曲げわっぱが発掘されたりと、庶民に広く親しまれていました。

日本各地で伝統工芸品として生産されており、特に秋田の大館や三重県の尾鷲、福岡などの産地が有名だそうです。

 

曲げわっぱの弁当箱の良いところ

ご飯が傷みにくく、美味しさが保たれる

曲げわっぱのお弁当箱は、プラスチックなどのお弁当箱に比べてご飯が傷みにくいです。
木材で作られた曲げわっぱは、ご飯の水分を吸収してくれるうえ杉がもつ殺菌効果のお蔭で、ご飯が傷みにくくなるようです。

使ってみて驚いたのは傷みにくいだけではなく、美味しさが長続きすること!
プラスチックのお弁当箱を使っていた時はすぐにお米が硬くなって、温め直さないと食べづらかったのですが、曲げわっぱのお弁当に詰めるともちもちの食感を保ってくれくれます。初めて使った時は感動しました…!笑
温め直さなくても十分美味しくご飯が食べられるので、電子レンジが使えない時は特に曲げわっぱのお弁当箱が重宝します。

昔は木のおひつにご飯を保存していたと聞きますが、木に保存するのは理にかなったことだったんだなぁ…と曲げわっぱを使って実感しました。

おしゃれでおかずを詰めるのがわくわくする!

平凡なおかずでも、曲げわっぱに詰めるだけでなんだかそれっぽいおしゃれなお弁当になります。
木の暖かい色合いや年輪が生かされたデザインはどんなおかずにもぴったり。
和食はもちろんのこと、以外と洋のおかずもモダンでおしゃれな印象になります。

プラスチックのお弁当箱を使っていた時は、朝お弁当を作るのがめんどくさくてお弁当を持っていくのを挫折しかけていましたが、曲げわっぱを使い始めてからは、どんなおかずを詰めようか楽しみながら作れるようになりました。

 

「塗り」の種類によって使い勝手が違います

曲げわっぱには形や素材の違いでたくさん種類がありますが、一番大事なのが、「塗り」の違いです。
この塗りの種類によって、使い勝手が大きく変わります。

塗りは主に3種類ありるので、自分の条件にある塗りの曲げわっぱを選んでみてください。

1.白木(無塗装)

「白木」とは皮を削っただけで何も塗ってない地のままの木のこと。
一般的に曲げわっぱというとこの白木の曲げわっぱを想像される方も多い、最もスタンダードなものです。

【良いところ】

・通気性、保湿性が高く、ご飯がふっくらした質感で保たれる
通気性と保湿性の両方があるというと矛盾しているように思えますが、これは木の特殊な性質によるもの。
木は周囲の湿度が高くなると湿気を吸い込んで膨らみ、乾燥すると湿気を吐きだして縮む特性を持ちます。
それゆえ、乾燥すつ時はおかずの湿度を保ち、逆に湿気が多い時は乾燥させるため、詰めたご飯に適度な水分量を保ち続けることができます。

・スギ製の場合、抗菌効果があって傷みにくい
曲げわっぱの材料としてよく使われるスギには殺菌効果があり、おかずに菌が繁殖するのを防いでくれます。
夏場の菌が繁殖しやすい時期には重宝しますね。

・スギやヒノキなど木の香りを楽しめる
スギやヒノキなど、木の香りが食欲を引き立たててくれます。

【イマイチなところ】

・カビやすいため、お手入れ大変
無塗装の白木を湿ったまま放置すると、黒カビが繁殖してしまいます。
カビを発生させないために使った後はすぐに洗う、洗った後丁寧に乾拭きし、風通りの良い場所に置くなど細やかに気配りしてあげる必要性があり、なかなか億劫です。
時間と心にある程度ゆとりがある方が利用することをお勧めします。

・油物を入れるとシミになりやすい
白木のお弁当箱に油物を入れると、油が染みてしまい、シミがついてしまいます。
いつまでも新品のように綺麗な状態で使い続けたい場合は、油分が多いものを詰めないほうが無難です。

 

2.漆塗り

白木の曲げわっぱを漆で塗装したもの。
耐久性に優れるので、漆の塗り直しをすれば何十年と使えます。
渋い色合いが魅力的です。

【良いところ】

・漆にも抗菌作用があるため、ご飯の持ちを良くしてくれる
漆を塗ることで、スギや木自体が持つ殺菌効果は薄れますが、漆自体にも強力な殺菌効果があるためご飯の持ちが良いです。

・油ものに強い
白木の弱点である油物によるシミ問題も、漆を塗ってしまえば全く問題ありません!
どんなおかずを入れても安心なので、より気軽に使うことができます。

・お手入れ簡単
漆によりカビが生えにくくなっているので、お手入れに神経質にならずに済みます。
洗剤が使用できるうえ、洗い終わった後は乾拭きして乾かしておけばよいだけなので、白木に比べ取り扱いが格段に簡単です。

【イマイチなところ】

・通気性のよさは多少失われる
漆を塗っても木特有の通気性は保たれるものの、無加工の白木よりはやはり通気性が悪くなります。

3.ウレタン塗装

木地の表面を樹脂でコーティングしたものです。
合成樹脂=一般的にはプラスチックと道義とされるため、ほぼプラスチックのお弁当箱と同様の使い方ができます。

【良いところ】

・とにかく取り扱い簡単
表面が樹脂加工されているので、カビることもまずないし、洗剤でゴシゴシ洗ってしまってもOK!
汚れがこびりつきにくく、気軽に扱えるので日常使いしやすいです。

【イマイチなところ】

・見た目以外は曲げわっぱの良さをいまいち味わえない
樹脂加工されているため、木の持つ通気性や殺菌製は損なわれます。
加工のされ方によりますが、ものによっては見た目は曲げわっぱですが、プラスチック製のお弁当箱と性能はそう変わらない場合もあるとと考えたほうが良いです。

 

私は漆の曲げわっぱを愛用!

ちなみに私は漆の曲げわっぱを愛用しています。
せっかく曲げわっぱを使うなら、曲げわっぱならではの良さをできるだけ味わいたい…けど、お弁当箱にそんなに手間かけてらんない…というずぼらな私には漆塗りの曲げわっぱ一択でした。

漆の曲げわっぱの中でも私が使っている「杉の木クラフト」という工房の曲げわっぱは、「拭き漆」といって、一度漆を塗った後にふき取る技法が取り入れられています。
余分な漆をふき取ることで、木が湿気を吸い取る余地を残し、ご飯のふっくら感が長時間続くとのこと。
実際に使ってみて、本当にご飯が固まりづらく長時間ふっくら美味しい状態で保たれて驚きます!!

見た目も、一般的な漆の曲げわっぱみたいにギラギラした感じがなく、ナチュラルテイストでいい感じ。
こちらのウェブサイトで7000円ほどで購入しました。2段でこのお値段ならお買い得かな??

 

まとめ

多少手間がかかっても、木本来の魅力を味わいたい、多少シミができてもそれが味だと思える人は「白木」の曲げわっぱ
お手入れ簡単に、曲げわっぱの魅力を適度に楽しみたい人は「漆」の曲げわっぱ
とにかく手入れとか面倒!見た目が曲げわっぱなら、あまり殺菌性とか気にしないという人は「ウレタン塗装」の曲げわっぱ
を私はおすすめします!

少しお高いお買い物になってしまいますが、使ってみたらきっと虜になると思います。
みなさんもぜひ、自分にあった曲げわっぱを探してみてください!

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